マンガ/ライトノベル

【MOE】「第7回MOE絵本屋さん大賞2014」決定! 第1位は、安里有生/詩 長谷川義史/画 『へいわってすてきだね』(ブロンズ新社)。

「第7回MOE絵本屋さん大賞2014」決定! 

今回の第1位は、第1位は、安里有生/詩 長谷川義史/画 『へいわってすてきだね』(ブロンズ新社)。

MOE絵本屋さん大賞は、月刊MOEが全国の書店・絵本専門店の児童書売り場担当者1900人にアンケートを実施し、もっとも支持された絵本30冊を決定する年間絵本ランキングです。

2014年12月19日に、MOE2015年2月号(2014年12月29日発売)で発表される「第7回MOE絵本屋さん大賞2014」の贈賞式が東京ドームホテルにて開催された。

第1位~5位までの受賞者にはMOE絵本屋さん大賞のシンボル・ミッフィーのイラストが彫られたクリスタル楯が贈られた。

 

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受賞作/作家/受賞コメントは下記の通り。

●第1位

「へいわってすてきだね」 安里有生/詩 長谷川義史/作 (ブロンズ新社)

受賞の言葉 安里有生

1位に選んでいただきまして、すごく嬉しいです。有生は「わしは極楽に来たのかえ~と思う」とおちゃめな冗談を言うくらい喜んでいます。(中略)

「へいわってすてきだね」は、有生が1年生のときに、小学校で「へいわ」について考える授業があって書きました。

難しいテーマですが、有生は、いつもの生活が「へいわ」なんだと思い、思いつくことをノートに書いたそうです。(中略)

表紙の絵が自分みたいで恥ずかしいと照れていますが、お気に入りは「ねこがわらう」のページです。

(MOE 2015年2月号 受賞コメント 安里有生くんのお母さまより)

 

受賞の言葉 長谷川義史

今までだいぶ絵本を出しているけれど、こんなに反響がすごいのははじめてで、びっくりしています。

注目されるのはありがたいことですけど、その分、みんな平和への危機感を持っているんだな、という気がしました。(中略)

この本は大人も子どもも、将来的には外国の人にも読んでほしい。書店の方々に推薦してもらって一番になれたのは、すごくうれしいしありがたいことで、つくってよかったと思います。

(MOE 2015年2月号 受賞インタビューより)

 

●第2位

「ノラネコぐんだんきしゃぽっぽ」工藤ノリコ/作(白泉社)

受賞の言葉 工藤ノリコ

とうもろこしが汽車の釜に入ってポップコーンになる、汽車でどんどん逃げていく、そのアイディアとプロットは、15年ほど前に考えていました。

ノラネコたちはもともと4コマ漫画「ワンワンちゃん」の登場人物で、漫画の早めの回から登場していました。

主人公のワンワンちゃんが犬だから困らせる敵役はネコ、くらいの考えで。ちなみに絵本では8人ですが、他にももっといます、「ぐんだん」ですから(笑)。(中略)

ゼロから手探りで描くよりも、読者の皆さんがまた「ノラネコの新刊はどんなお話だろう」と楽しみに待ってくれているだろうな、と思いながら描けることが、とてもうれしいです。

次回作にむけて、気持ちは高まっております。

(MOE 2015年2月号 受賞インタビューより)

 

●第3位 

「うんこしりとり」tupera tupera/作(白泉社)

受賞の言葉 tupera tupera

亀山 このしりとり自体は自分が中学生のときからやっていたので、絵本にできるな、という感じはしていました。

元は200Pくらいの形も考えていて。

中川 だいぶ減らしたもんね、「こねこのうんこ」や「ことりのうんこ」もいいけれど、オーソドックスなものばかりだと面白いものが入れられない。

ラインナップには結構悩みました。

亀山 僕たちの絵本は、受賞している賞が全部、読者や書店員さんや子どもたち、現場の人に選ばれた賞なんです。

それがありがたくて。特に書店員さんは作品を読者に届けてくれる方たちなので、受賞には本当に感謝しています。

(MOE 2015年2月号 受賞インタビューより)

 

■「『うんこしりとり』のうた」 Youtubeで公開中
https://www.youtube.com/watch?v=jn6dIP3Uxto

■「うんこしりとり の うんこ の つくりかた」 Youtubeで公開中
https://www.youtube.com/watch?v=m52TdtXgdTg

 

●第4位 

「うみの100かいだてのいえ」いわいとしお/作(偕成社)

受賞の言葉 いわいとしお

もし描くなら次は海だなと思ってましたが、地上と地下で充分やりきった感があったので、あまりリアルに考えてなかったんです。

ところが『ちか100かいだてのいえ』を出したとき、愛読者カードに「100かいだてのいえ」の絵を描いて投稿してもらい、それを編集部でスキャンしてネット上でつなぐというしかけをしたら、全国から5千通ぐらい集まったんです。

しかも、ほとんどの子どもが感想も自分で書いてくれたんですよ。

一人一人の個性が伝わってくるようで、読むのが楽しくて楽しくて。その中で圧倒的に多かったのが「3作品目を待ってます」「次は海ですよね」(笑)。

(MOE 2015年2月号 受賞インタビューより)

 

●第5位 

「しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん」高野文子/作・絵(福音館書店)

受賞の言葉 高野文子

白と黒だけで絵を描いてきましたからね。色のついた絵も描いてみたいなあと思っていたところに、ちょうどお話をいただいたんです。

小さいお客さんを想定して絵を描いたことがなかったので、難しんじゃないかと思ったんですが、そこはまかせてください、と担当編集者さんが言ってくれました。

なので、安心して机に向かいました。子どもに向けてと言うより、自分用に描いていました。くたびれてるときは、おふとんってありがたいよな、という正直な気持ちからスタートしてます(笑)。

(MOE 2015年2月号 受賞インタビューより)

 

●第5位 

「おおかみだあ!」セドリック・ラマディエ/文 ヴァンサン・ブルジョ/絵 たにかわしゅんたろう/訳(ポプラ社)

受賞の言葉 セドリック・ラマディエ&ヴァンサン・ブルジョ

僕らが冗談を言いながらこの本の話をしていたとき、まさかこの狼が、日本の子どもたちを怖がらせるために、大人しく飛行機に乗るなんて、思いもしなかった。

僕らは狼の旅をすごく喜んでいるよ! 僕らにとってこの本は「わかりきったこと」だった。

ある朝、僕(セドリック)が目覚めると、狼が頭の中にいた。外に出してくれって頼むから、紙と鉛筆を手にし、ざっとまとめた。狼も文章も物語の展開も、僕の過去、経験、欲望のすべてを通り抜けてやってきた。

だから、「わかりきったこと」だったんだ。そして相棒でイラストレーターのヴァンサンの家にかけこんだ。それがヴァンサンなのもわかりきったことで、彼の中にもすでに狼がいたんだ!

こうしてこの本が生まれて、僕らを驚かせているってわけさ。

(MOE 2015年2月号 受賞コメントより)

 

受賞の言葉 谷川俊太郎

作者が絵を動かすと同時に、読者が絵本そのものを動かすことで、ストーリーが展開するという新鮮なアイデアに、一目で惚れこみました。

もちろん間抜けでかわいい狼にも。

(MOE 2015年2月号 受賞コメントより)

 

●今回の贈呈式にはプレゼンターとして、女優/モデル・豊田エリーさんがご登場くださいました。

 

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*贈賞式の詳しいレポートは、2015年2月3日発売の月刊MOE3月号に掲載いたします。
写真は、写真前列左から、工藤ノリコ、安里有生、長谷川義史。
後列左からミッフィー、高野文子、いわいとしお、安里有生・母、tupera tupera(2人)、豊田エリー(以上敬称略)。